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愛していると言ってくれ - 08
「……動くよい」
呼吸が落ち着いたのを見計らい、律動を開始する。
根元までぴっちりと収まったそれをゆっくりと引いて、抜き切れないところで再び挿し戻す。
角度を変えながら何度か繰り返すと、苦しげな吐息が、徐々に甘いものへと変わっていく。
ねっとりと絡みつく名前のナカは、非常に気持ちいい。
無数のヒダが纏わり付き、気を抜くとすぐ達しそうになっちまう。こんなにいいのは初めてだった。
おれは目が眩むほどの快感に耐えながら、腰を動かした。
「っ、はあ、くっ、名前のナカ……、すげェ、いいよい」
「んあ、っふ……ああ……っん……」
熱に浮かされたように耳元で囁くと、ナカがヒクヒクと痙攣する。
ああ、いい。
すげェ、いい。
たまんねェ……
ずんっ、と奥を突き上げると名前が仰け反る。
露わになった柔らかな首筋にかぶりついた。
「んっ、やあ……はぁっ」
そのまま舌を這わせ、時折ちゅうっと肌に吸い付きながらナカを穿つ。その度、結合部はぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てシーツに愛液を飛び散らした。
それからしばらく夢中で腰を振っていると、ふと名前の異変に気が付いた。
抽送を繰り返すモノに絡みつく、名前の蜜に混じる赤い筋。
シーツに染みる、赤色。
「……っ、」
一気に根元まで突っ込んだせいで、傷付けてしまったのか?
焦ったおれは、名前の中から己を引き抜く。
「んんっ、」
ぬぽっ、といきなり抜かれた名前が小さな声を上げるが、構わず彼女の脚をM字に割いた。
秘部に顔を寄せ、会陰を指で開いて確かめる。
ぱっと見たところ目立つ外傷はなさそうだが……
と、そこで突然の振る舞いに狼狽えた名前が声を上げる。
「やぁ、……な、に……」
閉じようとする名前の脚を押さえながら、おれは事情を説明する。
「わりィ、名前。一気に挿れちまったせいで、少し出血してるんだよい」
「ぇ……」
「傷を診るだけだから、大人しくしてくれよい。すぐに済むから」
「っ……、」
とはいえ、女に取って最も恥ずかしい部分を凝視されている名前は、抗議のためか一瞬おれに何か言いたげな視線を寄越した。しかし目が合うと、名前は何も言わず赤らめた顔をパッと背けた。
名前のソコは圧迫するものがなくなり、おれの形にぽっかりと穴が空いている。
たらりと蜜を垂らし、ヒクヒクと収縮を繰り返す穴。
その誘うような淫猥さに、下半身がずくんずくんと疼く。
一刻も早くその心地よい穴に戻せと言わんばかりに催促されるが、今は治療が先決だと暴れる愚息をなだめ、医者モードに頭を切り替え、じっくりと診る。
幸い出血は少量のようで、もう止まっていた。
会陰にも膣口に裂傷はない。
だとすると、出血は膣内部からか。
……と、そこまで考え、一瞬ある可能性が頭に浮かんだが、そんなわけないだろうとすぐに打ち消した。
おそらく、性交で内壁が傷付いたんだろう。
丁寧に慣らしたが、挿入時に焦ってしまったせいだ。
今まで寝た女にもあった。
医療器具があれば膣内を診ることはできるが、診たところで女の身体は専門外だ。その分野はナースに任せている。婦人科のことは船医者のおれより、彼女たちの方がよっぽど知識に長けている。
念のために、他のナースに診て貰うことを提案するが、名前は大丈夫だと拒む。
「痛くはねェのかい?」
「はい、……平気、です」
痛みがないなら、それほど心配はないだろう。
それにナースである名前自身が大丈夫と言うんだから、特に問題はなさそうだ。
おれは短絡的にそう結論付けると、中途半端におあずけを食らった熱を下げるべく、名前に覆いかぶさる。
「じゃあ、もう一度挿れていいかい」
「は、い……」
待ちきれなくて、クイッと昂りを入り口に押し付けて問う。潤んだ瞳で頷く名前の膝裏を両手で持ち上げ、今度は傷付けないようゆっくりと時間をかけて挿入する。
「っ、……ほら、名前……、おれのが入っていくよい、わかる、かい」
ヌプヌプ、と音を立てながら。
「ッ、んっ、は、い……おっき、い…です」
「はっ、名前は、男を煽るのが、上手だねい……っ」
「やっ、ちが、……んんっ」
蕩ける名前の中に、男根がずぶずぶと呑み込まれていく。
「く、ぅ……っ、やっぱり、名前のナカ、すげェイイ。たまんねェよい……」
「ん、っはぁ、あ、あぁっ……」
相変わらず絞るようにねっとりとおれを包み込む熱い膣。全長を埋め込むと辛抱たまらず腰を揺すってしまう。
「ん、マルコ、隊、ちょ……、んぅ……っ」
「可愛いよい、名前」
苦悶の表情を浮かべながらも、健気におれを受け入れる名前が可愛くてキスをする。本当はまだ痛むかもしれない。それでも奥深くまでおれを許容する名前の痛みを逃してやりたくて、下腹部に這わせた手をぬめる突起に持っていく。
「やっ、んん、そこ、だめ、あぁ…ああっ……!」
突起を少し弄ると途端にビクリと跳ねる名前の身体。
奥まで咥え込んだおれのモノをしごくように内部が蠢く。
ああ、くそっ、よすぎだろ。たまんねェ……
「っ、は、名前は、ここをいじられるのが好きだねい。ちょっと触るだけで、きゅうきゅう締め付けて、もっとってねだってくるよい」
「ひっ、やぁ、あっ、あっ、ああっ……」
胎内を突き上げながら、親指の腹で突起をぐりぐり押し潰して責め立てると、名前は悶えて余裕のない声を上げる。
「んっ、ぁ……や、も、おかしく、なるっ、んあ、あぁっ……」
「……っ、いくらでも、なれよい」
甘い嬌声に刺激され、おれの限界も近くなる。
ぎゅっとシーツを掴む名前の手を取り、重ね合わす。
舌を絡めてキスをして、ひたすらナカを突き上げた。
「はぁっ、……や、ぁっ、マル…コ、隊、ちょ……ああっ、も、だ……め…っ」
「っ、イけよい、名前。おれも……もう、…っ!」
「んあ、……ああぁ、っあぁ…っ!!」
一際高い声で喘いだ名前が絶頂し、これ以上ないほどおれを食い締める。
「くっ……、名前っ……!」
おれは夢中で名前の身体を掻き抱き、彼女の奥深くに大量の欲を放った。
……ああ、堪らなく良かった。
なんて身体してるんだよい、こいつは。
おれはしばらく放心し、細かく震える名前の肉襞の余韻を楽しんだ。
十分に楽しんだあと、精に塗れた己のモノをずるりと引き抜くと、中に収まりきれなかった白濁がどろりと溢れる。
白い太腿を濡らすその光景に、下半身がズキリと疼くが我慢して後始末をつける。
おれはまだ二回でも三回でも出来るが……いや、むしろやりたいが、名前は酒も入っていたし疲れたんだろう。
絶頂と同時に意識を飛ばし、そのまま眠ってしまった。
静かな寝息を立る名前の身体を熱いタオルで拭い、毛布を掛けてやる。
顔にかかる髪を払うと無防備な寝顔が現れた。
その年相応のあどけない寝顔に、今更ながら後悔が頭をもたげる。
だが、もう遅い。
こんな具合のいい身体、一度きりで終わらせられる訳がねェ。
悪ィな、名前。
おれが飽きるまで、精々愉しませてくれよい。
