Novel
誕生日に咲く花は - 01
青い空。白い雲。果てしない海。
波も穏やかで問題はない。
だけど、私はとても困っていた。
もうすぐ交際を始めて三ヶ月になるイゾウ隊長の誕生日。なのに、彼の喜びそうなプレゼントがひとつも浮かばないのだ。
最初は口紅にしようと思った。
私が贈ったもので彼の唇が……イゾウ隊長の、あの形良い唇が彩られるなんて、考えただけでたまらない気持ちになったから。
でも調べてみたところ、イゾウ隊長が愛用しているお化粧道具は全て最高級品。口紅は一本五万ベリーもするのだ。雑用係という名の下っ端の私に出せる額じゃないし、無理してプレゼントしても逆に叱られそうな気もするから泣く泣く却下。
次に考えたのは着物だった。だけど彼が着ているものは絶対高価だろうし、私如きが手出しできる代物でもないのでこれも没。
じゃあ装飾品はどうだろうか、と思ったが、そもそも装飾品を身に付けている所を見たことがない。
それに今更だけど、イゾウ隊長の趣味ってよく分からない……。
ご自分の美貌もさることながら、この船にはかわいい系から美人系まで粒揃いの美形ナースさんが大勢いる。そんななか、なぜその辺に落ちてる石ころみたいな私を選んでくれたのかも分からない。
しかも交際を申し込んでくれたのは、まさかのイゾウ隊長の方で……
ずっとお慕いしつつも、雑用係の私にとってはまさしく高嶺の花で別次元の存在。そんな彼を隠れて眺めることを日課とし、生きる喜びと糧を与えて貰っていたのに、「おれと付き合わないか」なんて言われた日にゃ、昇天してしまいました。
いや、生きてる。実際にはまだ生きてるけど、それはもうびっくり仰天しすぎて血の気が引き、突っ立ったまま数秒意識を飛ばした。気が付くと「大丈夫か?」と、至近距離に迫る端正な顔にさらにパニックを起こし、今度こそ本当にブラックアウトしてしまったのだ。
そして目が覚めると、ものすごくいい香りのするベッドの上に寝かされていた私。すぐ隣にはイゾウ隊長が座っていて、起き抜け一発「失神するほど嫌だったのか?」と尋ねられ、「滅相もございません」と返して始まった交際。
まだ彼女らしいことは手を繋ぐくらいしかしておらず……ちなみに、その手は一生洗わないと誓ったら「いつでも繋いでやるから洗え」、とクスクス笑いながら洗われてしまった──長年憧れていた人で、だからこそ、プレゼントくらい喜ぶ品物を贈りたい。だけどいい案が全く降りてこないのだ。天を仰いでも、神様はなにも授けてくれない。白い雲が悠々と流れていく。
「うーん……」
化粧品もダメ、服もダメ、装飾品もダメ。
あとは……あとは何だろう? 考えれば考えるほど答えが出なくて途方に暮れる。ため息が目に見えるなら、きっと今頃視界いっぱいに広がっていることだろう。
「なに悩んでんだよい、眉間に皺寄せて」
甲板の隅で重い息を吐き出していると、近くを通りかかったマルコ隊長が顔を覗き込んでくる。鳥が木の実を啄むときみたいにつんつん、と指先で眉間を突かれ、慌てて姿勢を正す。彼は不死鳥マルコ。白ひげ海賊団一番隊隊長にして、私の直属の上司でもあるのだ。
「あ、いえ……」
何でもないですと誤魔化そうとするが、いや待てよと考え直す。マルコ隊長はイゾウ隊長と付き合いが長い。若い頃から一緒にいて好みや趣味嗜好など熟知されているはずだ。何かヒントでも頂けないだろうか、と相談を持ちかけてみることにした。
「──イゾウの欲しいもの?」
「はい。誕生日に何を贈ればいいのか分からなくて」
「そういうことかい」
正直に打ち明けると、マルコ隊長は「アイツの欲しいものねい……」と顎に手を当てる。
私はこれまで一度も男性に贈り物をしたことがなかった。
そんな経験がないからこそ、どんなものが喜ばれるのか皆目見当がつかないのだ。せっかくの誕生日。好きなものを贈ってイゾウ隊長に喜んでもらいたい。
「何かありますか?」
思案するマルコ隊長に尋ねると、渋い表情が返ってくる。
「アイツは物欲が薄いからねい。欲しいものも自分で手に入れる主義だしな」
言われてふと思い出す。まだ付き合う前、『欲しいものは自分から取りに行け。待っていても手には入らない』と部下に教えていたことを。当時はさすが隊長だ、と秘密基地からこっそり盗み聞きしていたけれど、それが今は私を苦しめている。イゾウ隊長ほどの人なら望めばなんでも手に入るだろう。
……でも、だったら私は一体何を贈ればいいんだろうか。ますます気落ちしてしまう。すると、そこへ食堂から出てきたサッチ隊長が重そうな髪を揺らしながら何事かと寄ってきた。
「────イゾウの欲しいもの?」
私が口を開くより前に、マルコ隊長が説明してくれる。
「名前がプレゼントに何を贈るか悩んでるらしくてねい」
「もうすぐアイツの誕生日か、早ェな。この間お前を祝ったばっかなのにな」
「あん時は世話になったねい」
名前もありがとよい、と今日の陽気によく似合う笑顔を向けてくれる。
マルコ隊長の誕生日は、プレゼントの代わりに彼のお部屋をピカピカに掃除したのだ。床のワックスもかけさせてもらったし、ベッドメイクも完璧。とても満足のいく仕上がりだった。
サッチ隊長はマルコ隊長の大好物であるパイナップルケーキを焼いていた。一口頂いたが、甘酸っぱくてとても美味しかった。私もケーキを作れればいいけど料理は出来ないし、確かイゾウ隊長は甘いものが苦手なはずだ。
「なにか浮かぶかい? サッチ」
「いんや、アイツは食いモンにも執着ねェからな。まあ、がんもどきは好物だが、誕生日のプレゼントに渡すにゃ微妙だろ」
「確かにねい」
「がんもどき?」
初めて聞く名前に首を傾げると、サッチ隊長が教えてくれる。なんでもイゾウ隊長の故郷の郷土料理らしい。さほど難しいレシピじゃないそうだが、料理初心者の私には厳しそうだ。それにプレゼントは出来ることなら消えものではなく、残るものを贈りたい。がんもどきは「作り方ならいつでも教えてやるぜ」と、頼もしく言って下さるサッチ隊長の下で練習しておいて、いつか何でもない日にご馳走しようと決めた。
「ところで、お二人は何を贈られるんですか?」
参考までに聞かせて頂く。
「いい酒を手に入れたから、オレはそれだな」と、即答してくれるサッチ隊長とは対照的に、当日までの秘密だ、とはぐらかすマルコ隊長。「確実にイゾウが喜ぶものだよい」と意味深に笑う様子にものすごく気になるけれど、それを知るには当日を待つしかないようだ。
そうこうしているうちに時間だけが過ぎていく。
これ以上個人的なことでお二人に時間を割いてもらうのは申し訳ない。お礼を告げ、あとは自分で考えますと伝えて立ち去ろうとしたとき、「名前」とマルコ隊長が私を呼び止めた。
「あんまり深く考えるなよい。お前が渡すモンならたとえ道端の石ころでも、イゾウにはかけがえのないモンになるからよい」
「そうそう、大事なのは気持ちだぜ」
私の頭をポンと撫でて優しく微笑むマルコ隊長と、目元の大きな傷跡を歪めて、大らかに笑うサッチ隊長。
石ころという単語にドキッとしつつ、少しだけ肩の力が抜ける。
お二人の励ましの言葉を胸に刻み、私は頭を下げて自室に戻った。
そして迎えた、イゾウ隊長の誕生日。
空は雲ひとつない快晴で、絶好の誕生日日和だ。
そんな素敵な日だというのに、私は甲板に置かれている大きな樽の中に身を隠し息を潜めていた。
小さくあいた穴から覗く視線の先には、ナースさんからプレゼントを受け取るイゾウ隊長の姿。
「お誕生日おめでとうございます」
「ああ、ありがとう」
手渡されているのは、丁度この間調べていたロゴが描かれている高級そうな紙袋。
「あけてもいいか」
「もちろんです」
そんなやり取りのあと、イゾウ隊長は中の小箱を取り出してリボンを解く。包装紙を剥がして出てきたのは私が一番贈りたかったもの。口紅、だった。
……はぁ、とため息をつく。
雑用の私とナースさんではお給金の額に大きな差がある。掃除や洗濯しか出来ない私と違い、ナースさんは船長や船員の命を担う立場だからそうあっても仕方ない。いや、絶対そうあらなきゃいけない。
だけど、その口紅はいつか私がそれを買えるくらいのお給金を貰えるようになったとき、私から贈りたかった……と、おこがましくも思ってしまう。
その後も代わる代わる、ナースさんや隊員の方からプレゼントを受け取るイゾウ隊長。紅色の唇にはずっと笑みが浮かんでいる。
……やっぱり、私も何か用意するべきだった。今更後悔しても遅いけれど、せずにはいられない。私もあんな風にイゾウ隊長に喜んで貰いたかった。
マルコ隊長とサッチ隊長の貴重な時間を使わせて頂いたにもかかわらず、結局私は何も選択出来ないままこの日を迎えてしまったのだ。
そのせいで合わせる顔がなく、付き合う前からいつも使っていた『イゾウ隊長ウォッチングスポット』別名『秘密基地』の樽の中に身を潜めて彼を眺めていた。
幸い今日は休み。一日ここでやり過ごして明日改めて謝罪しよう。そう思って膝を抱え直す。外からは相変わらず祝いの言葉が聞こえてくる。なのに私は恋人の誕生日にプレゼントひとつも用意出来ず、おめでとうの一言も伝えずに息を殺して隠れているなんて……
本当にどうしようもない奴。
こんなんじゃ幻滅してフラれることになっても仕方ないのかも……
私とイゾウ隊長とじゃ全然釣り合いが取れていないし、そもそも何で私を選んでくれたのかもわからない。ネガティブなことばかり考えて泣きそうになってくる。すん、と鼻を啜って膝の上に顔を埋めたときだった。
「……で、お前はいつまでそこに隠れているつもりだ? 名前」
不意に頭上から声がして、コツコツと爪先で樽を叩くような音がする。ビクッと身体が跳ねた。瞬間、上蓋が外され暗い樽の中に光が差し込んでくる。逆光の眩しさに目を細めながら恐る恐る見上げると、そこにはさっきまで祝いの言葉を掛けられていた今日の主役、イゾウ隊長が樽の縁に頬杖ついて中を覗き込んでいた。
「な、なん、どうして……」
驚きすぎて涙なんか引っ込む。突然の事態に頭がついていかない。なぜここにいることがわかったんだろう。呆然としていると、形良い紅色の唇が持ち上がる。
「相変わらずここが好きだな」
「えっ……!?」
「付き合う前も、よくここからおれを見てただろ」
「ご、ご存知だったんですか!?」
「もちろん、知ってるさ」
樽の中から覗いてくる奴はそうそういないからな、と言われて穴があったら入りたい気分になった。いや樽には入っているけど、まさかずっと知られていたなんて……
だめだ、もう恥ずかしくて死にたい。
顔が燃えるくらい熱くなる。きっと耳まで真っ赤になっているだろう。
イゾウ隊長はそんな私を見下ろしながら、フッと笑みを漏らす。
「ほら、いつまでも入ってないで出てこい」
そう言って差し出された手には、先程まで抱えていたプレゼントがひとつもない。聞けば、隊員の方に全部渡して部屋に置いてきて貰ったそうだ。
だからといって、私はその手を掴むことは出来ない。恋人のくせにプレゼントを用意していないのだ。掴む資格なんかない。俯いてゆるゆる首を横に振ると、脇の下にすっと大きな手が差し込まれた。
「プレゼントのことは気にするな。マルコたちに聞いてる」
ひょいっと持ち上げられ、軽々と抱き上げられてしまう。樽から引っ張り出した私を胸に抱いたまま、イゾウ隊長はスタスタと歩き出す。
「お、おお、降ろして下さい……」
「大人しくしてろ」
逞しい胸板に押し付けられていて顔を上げることも出来ない。心臓の音が聞こえる距離に緊張してしまう。他の隊員の方が物珍しそうな視線を送ってくるなか、イゾウ隊長は平然と歩いていく。身を縮こまらせる私を抱いたまま自室に入ると、ようやくベッドの上へ降ろしてくれた。
「随分と悩んでくれたみたいだな」
くしゃ、と私の頭をひと撫でしてイゾウ隊長は隣に座る。
頭を撫でるその手は優しく、顔を覗き込んでくる表情はとても穏やかだった。
「……あの、すみません……。私、結局なにも用意出来なくて……」
「謝る必要はねぇよ」
「でも……」
せっかくのお誕生日なのに、そう食い下がろうとする言葉は唇に触れた柔らかな指先によって遮られる。唇に伝わる熱い体温。ドクっと鼓動が高鳴った。驚いて彼の顔を見ると、今まで見たことのないくらい優しい笑みが浮かんでいる。
「名前が、おれのために一生懸命考えてくれた。それだけで十分だ」
そんな風に言われたら何も言えなくなる。視線を彷徨わせるとテーブルの上には隊員の方が運んでくれたんだろう、包装紙やリボンに包まれたプレゼントの山があった。その中にはナースさんが渡していた口紅もあって……
「……本当は、あの口紅を贈りたかったんです」
「…………」
「でも、私のお小遣いじゃ買えなくて……」
言いながらまた涙が出そうになる。大好きなイゾウ隊長の誕生日なのに、結局何もできなかった自分が悔しくて情けなかった。
「私が贈った口紅でイゾウ隊長の唇を彩られればって思ったんですけど、だめでしたね……」
悲しい気持ちを誤魔化すように笑うと、イゾウ隊長は私の身体をぎゅっ、と一度抱き締めた。
「だったら、名前がおれを彩ってくれりゃあいい」
イゾウ隊長はそう言って、和服の肩に掛かる長い髪を後ろへ流した。漆黒の髪がサラリと流れ、目の前に差し出される首筋。普段陽の当たらないそこは眩しいほどに白く艶かしく、見てはいけないものを見ているような気がした。透ける肌に浮き出る静脈の美しさに喉が鳴る。瞳を逸らせないでいると、色っぽい低音が鼓膜を撫でた。
「ここに、お前の唇で触れてくれないか」
切れ長の瞳にじっと見つめられて動けなくなる。
「イ、ゾウ隊長……それはどういう……」
「そのままの意味だ」
「え?」
「唇の代わりに、ここに紅を差してくれ」
カッと身体中が熱くなる。全身の血が沸騰するかのようだった。それが何を意味するのかくらい私にも分かる。でもそんなもの一度も付けたことはないし、どうすれば付くのかもわからない。
「唇を当てて強く吸えばいいだけだ。簡単だろう?」
「そ、んなこと……できませ……」
ふるふると首を横に振れば、顎を持ち上げられる。逃げられないよう腰を抱かれて強引に引き寄せられてしまう。吐息がかかりそうなほど近付いたイゾウ隊長に「名前からのプレゼントをくれないか」なんて甘えるように強請られてしまえば、もう拒めるはずがなかった。
「……わかり、ました」
頭の奥がジンと痺れるようだった。
ドキドキと高鳴る心臓を抑えつけ、私は震える手でイゾウ隊長の首元に触れる。
ゆっくりと近付くと、彼の香りが鼻腔に広がりクラリと目眩がした。
……本当に、してもいいんだろうか。
少しだけ不安になる。
だけど、イゾウ隊長が望むなら精一杯応えたい。
触れるか触れないかの距離まで近付く。そっと見上げれば、イゾウ隊長が静かに目を閉じた。
それを合図に、唇を肌に押し当てる。
ちゅっ、と小さな音が響いた。
強く吸い付けば赤い鬱血の跡が出来ていく。何度か繰り返しているうちに恥ずかしさは徐々に薄れ、くっきりと跡が付いたあとも私は夢中で唇を這わせていた。
「……ん」
耳元で聞こえる吐息は熱を帯び、とても艶やかだ。その声に身体の内側がじわりと熱くなる気がした。
唇を離すと、滑らかな白い首筋には私が付けた赤い印。それを見て湧き上がるこの気持ちはなんだろうか。綺麗な肌に自分の所有物だと示すような跡を付ける行為は背徳感があって、何とも言えない気持ちになってしまう。
もう一度その印に触れたくて、唇を寄せたときだった。
首筋に添えた手を掴まれ、ばふっとベッドに押し倒される。軽い衝撃に閉じた瞼を開くと、私を見下ろす端正な顔が目の前に。
「ったく、もう少し待ってやるつもりだったのに、煽った罰だ。今から抱く」
きっぱりと、侍らしく宣言をする彼の瞳の奥に映るのは情欲の色だった。妖しく微笑む表情にぞくりと震えながらも、私は慌てて抵抗を試みる。
「まっ、待って下さい。私、まだ心の準備が……」
「今からすれば間に合うさ。たっぷり時間を掛けてやるから」
「やっ、でもまだお仕事中じゃ!?」
「どうとでもなる。明日の休みをなくしてもいいしな」
「で、でも私は明日仕事ですし!」
「休みならいいのか?」
「え? ええ、まあ……」
時間稼ぎにもならないが、今すぐ襲われるよりはいい。次の休みはいつだっただろう。混乱と困惑が入り混じった頭の中で必死に考えていると、じっと私を見つめていた涼しげな瞳がふっと細まった。
「なら、明日は休みだから問題なしだ」
いやいや、明日は普通に仕事です!
今日が休みだから明日はその分忙しいはずです!
焦りながらもそう叫ぶと、イゾウ隊長はおかしそうにくつくつと喉を鳴らした。
「マルコからの誕生日プレゼントだよ。名前を一番隊から十六番隊配属に変えてくれたんだ」
はい……? 意味がわからずポカンとしていると、艶やかな長い髪が私を閉じ込めるようにゆっくりと降りてくる。黒の檻の中にすっかり捕らえられた私の首筋に走るのは、チクリと疼く甘い痛み。そこは、さっき私が吸い付いた場所と同じで。
「これで、揃いだ」
ぺろりと唇を舐めて、そこに色付いたであろう印を満足げに見つめるイゾウ隊長。その顔は至極嬉しそうで、私まで幸せな気持ちになった。きっと、彼も先ほど私が味わった独占欲のようなものをたっぷりと感じてくれているのだろう。
「……イゾウ隊長」
「うん?」
「誕生日、おめでとうございます」
「ありがとう、名前」
微笑む彼の首筋に咲く、赤い花。
私の首筋にもお揃いのものが咲いているはずだ。
「消えたら、また付けてくれ」
そう言って笑みを深めるイゾウ隊長に、私は「はい」と幸せな笑みを浮かべて返事をした。
